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2020年03月24日
英国IR協会「ベスト・プラクティス賞」に見る、ベスト・アニュアルレポート賞受賞企業の統合報告進展度
ベスト・プラクティス賞
英国IR協会(IRS)は毎年11月に「ベスト・プラクティス賞」を発表しています。同賞は、公募部門と投票部門から構成され、公募部門には次に示す5つの賞があります。それぞれ英国企業および英国外の企業を表彰しており、英国はもちろん欧州各国のIR関係者からも注目されています。

<公募部門>
①ベスト・アニュアルリポート賞
②最も効果的なESGインテグレーション賞
③ベスト・デジタル・コミュニケーション活用賞
④投資提案のベスト・コミュニケーション賞
⑤コーポレート・トランザクション(企業取引)賞

審査は、IRSの会長が審査委員長を務め、英国財務報告評議会(FRC)や英勅許ガバナンス協会(CGI)、企業財務専門家協会(ACT)、英国アナリスト協会(CFA Society)、会計事務所PwC、法律事務所リンクレーターズ、フィデリティ、シュローダーなどIRビジネスを代表する14名が当たっています。その選考過程で、IRSの「IRベスト・プラクティス・ガイドライン(BPG)」が定量審査に採用されています。

ベスト・アニュアルレポート賞
2019年11月にIRSは次の4社にベスト・アニュアルレポート賞を与えました。

ベスト・アニュアルレポート賞
  部門              受賞企業
インターナショナル     ポリメタル(ロシア、鉱業)
スモール・キャップ & AIM  U+I(不動産開発・再生事業)
FTSE 250          ダーウェント・ロンドン(商業用不動産開発)
FTSE 100          アングロ・アメリカン(鉱業)

IRSは、各社の受賞理由をウエブサイトで発表しており、それを見るとFRCがアニュアルレポートの主要部分であるStrategic Report(戦略報告書)の要件であるビジネスモデルと戦略の開示を通じて株主価値をどのように高めていくかの記載を評価しています。ビジネスモデルと戦略の開示は、日本企業の統合報告書でもよく見られますが、受賞した企業のレポートでは、戦略とリスクの関係が明確に示されています。リスクについては、その定義から始まり、低減方法と当年度の実績と次年度の計画まで具体的に開示しています。リスクに対する考え方が日本企業とは大きく異なっているように思えます。

<インターナショナル部門>で選出されたポリメタル:
同社のアニュアルレポートは、ビジネスモデルと戦略についての十分な説明を含む、分かりやすく明確な年次報告書として評価され、同時に、ビジネス上の問題に真正面から取り組んでいることも高く評価されています。

<スモール・キャップ & AIM部門>で選出されたU+I:
同社は、アニュアルレポートの表紙の中央に、現在進めている計画のテーマである「Regeneration Rethought」を配置し、読者への興味を喚起し、すぐさまレポートの冒頭で、その遂行方法等について展開する構成が高く評価されています。

<FTSE250部門>で選出されたダーウェント・ロンドン:
審査員は、同社が報告書全体を通じて株主価値の創造に注力している点を評価しています。同社のアニュアルレポートは、ビジネスモデル掲載ページの直前に、ステークホルダー別の重要事項と対話方法を提示し、どのように株主価値を創造しているのかを整理している。さらに戦略の紹介ページでは、5つの戦略毎に重要事項から当年度の進捗、次年度の計画、KPIsならびにリスクまで一覧で整理し、一目で主要な戦略要素が把握できるように工夫しています。
また、リスク開示メージでは、リスクマップから始まり、リスク毎にその定義、潜在的な影響、当年度の進捗から次年度の計画へと分かりやすく整理をしている。

<FTSE100部門>で選出されたアングロ・アメリカン:
同社のアニュアルレポートは、公正でバランスの取れた報告書として評価されています。表紙を開けた最初の見開きのP1で報告要件、方針、基準、そして結果と追加情報を一覧表で読者へ提示しています。審査員は、同社はFTS100のなかで最高のKPIsを設定・開示していることを評価しています。その開示では、同社の7つの戦略要素ごとに全部で17に及ぶKPIsから構成されている。


英国企業など欧州企業のアニュアルレポートは、会社法などの法規制に基づく制度開示であり、日本における有価証券報告書に当たることから、各国での法規制の違いから開示内容も異なることは否めませんが、日本企業の株式売買の7割は外国人投資家が関与していることから彼らの基準に対応する必要がありましょう。

当社では、受賞各社の受賞理由などを整理した日本語での資料を用意しています。ご希望にあたっては、末尾のお問い合わせ先までご連絡ください。

今回は、ベスト・アニュアルレポート受賞企業を紹介しましたが、公募部門で受賞した企業の特長などを今後順次お伝えしていきます。皆さまのIR活動にお役に立てれば幸いです。

当社では、英国IR協会の了承を得て「IRベスト・プラクティス・ガイドライン(BPG)」日本語版を発行するProject Future Proof (PFP)ワーキンググループに設立当初より参画しており、当ガイドラインの日本語版は、2020年で11号目となります。

お問い合わせ先: 
株式会社ファイブ・シーズ 越智(おち)(03-5805-5071)
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英国IR協会 ベストプラクティス賞 ベスト・アニュアルレポート受賞企業紹介